次年度当初予算編成のスタートに当たり、市長メッセージを公表しました。私の市長就任後、公約に基づき始めたもので、管理職はじめ職員の皆さんへの説明会を開催。令和9(2027)年度は市制施行30周年の節目であり、「オール古賀」で「未来への責任」を果たすため、まちづくりを一層推進していきたいと思います。
以下、全文です。
令和9年度当初予算編成のスタートにあたって(市長メッセージ)
令和9(2027)年度の当初予算編成を始めるにあたり、市長としての基本方針を市幹部をはじめ市職員はもとより、市議会の皆さま、市民の皆さまに明らかにします。
この基本方針を明らかにする取組は、私の市長就任後から始めたものであり、まちづくりは行政だけでなく、議会、市民の皆さまと共に進めていくべきという「オール古賀」の理念に基づき、私の公約である「予算編成の見える化」を実践するための重要な手法と位置付けています。市幹部をはじめ市職員におかれては、この基本方針を強く念頭に置き、「未来への責任」を果たすため、当初予算に盛り込む施策(事業)について検討してください。
令和9年度は、本市が市制施行30周年を迎える記念すべき節目の年です。また、第5次古賀市総合計画基本構想が折り返しを迎える中間年でもあります。これまで培った成果を土台に、基本構想の具現化に向けてアクションプランの推進をさらに加速させ、令和13年度の想定人口6万人の実現に向けて、あらゆる事業の成果を収斂させていかなければなりません。
私たち一人ひとりが受動的でなく、常に主体性をもって思考し、能動的に行動するとともに、前例踏襲ではなく意欲的に新たな事業を検討し、予算を編成することで、まちづくりの可能性を広げていきましょう。
なお、本市は今年11月に市長選挙が予定されていることから、現市長である私の基本方針はもとより、選挙の結果として次期市長となった者が選挙時に掲げた政見を踏まえ、その公約の実現を図ることも重要であると付言しておきます。令和9年度当初予算の編成過程においては、この点も十分に考慮し、市政の継続性と新たな方向性の両立を図りながら、市民の負託に応える予算づくりを進めてください。
1 市制施行30周年を契機とした歴史・文化・郷土愛の継承・発信
市制施行30周年を迎えるにあたり、これまでの準備フェーズから、構想を「実行と具現化」へと移行させます。一過性のイベントに留めず、古賀の先人が私たちにつないできてくれた風土、文化、歴史、伝統を礎として、50周年、100周年といった将来の節目も意識し、本質的な魅力を未来へ継承するとともに、市民参加を通じた「古賀愛(シビックプライド)」の醸成を図ります。さらに、未来へつながる対外発信や、これからのまちづくりに向けた新たな挑戦を推進します。
古賀市出身の特撮美術監督・井上泰幸さんは、「特撮の神様」円谷英二監督の右腕として、日本の特撮黄金時代を築いた、郷土を代表する偉人です。近年、ミニチュアセットの展示、子どもたちを対象とした特撮美術に触れる機会や「井上泰幸のセカイ展」等を通して、その功績と特撮文化の魅力を次代へつなぐ取組を進めています。特撮には、限られた材料や技術を駆使して、今では失われた風景など実在しないものをリアルな形でよみがえらせる、ものづくりの創造性があり、県内有数の産業力を有する本市との共通性・親和性があります。
これまで培ってきた取組をさらに発展させ、井上さんが過去の特撮作品で手掛けた西鉄街のミニチュアセットの制作・展示をはじめ、古賀が誇る「ものづくり」と「特撮」の魅力を結び付けながら、特撮文化を古賀市ならではの地域資源として次代へ継承し、市内外に広く発信していきます。
毎年11月3日に行っていた「文化の日記念式典」を10月1日の市制施行30周年記念式典にあわせて実施します。現在、古賀東中学校の民俗資料室の収蔵庫に収蔵されている旧古賀町役場の鐘について、多くの市民の皆さんに知っていただくため、市役所庁舎内に展示します。旧席内(むしろうち)役場跡地と旧古賀町役場跡地に石碑を設置し、歴史的な事実を記録します。市民に芸術を楽しむ機会を創出し、芸術文化への関心を育む取組を行います。元歴史資料館館長の石井忠氏が収集された海岸漂着物の保存とさらなる活用を進めます。
これらの取組を通じて、市民の皆さまが古賀の歴史と文化に誇りを持ち、次代へつないでいく機運を高めます。
2 子ども・教育・子育て環境の充実
安心して子どもを産み育てられる環境を整備します。子どもの居場所の充実に向け、地域人材の発掘や活動者間のネットワーク形成を目的とする講座を継続し、長期休業日を含め、児童センターなどで安心・安全に過ごせる場づくりを推進します。
学校施設を安全かつ良好な状態に保つため、計画的な予防保全に努めるとともに、教育環境の更なる向上を図ります。小中学校体育館の空調設置を計画的に進め、避難所機能も強化します。古賀中学校にはバリアフリー化の一環としてエレベーターを設置します。一人一台端末の活用を促進し、デジタル教材・オンライン学習の定着を図ります。ICT・教育DXに精通した未来共創フェローと連携し、教員の指導力を高め、個別最適な学びを支える体制を充実させます。耐用年数を超過した電子黒板は順次更新します。 教育支援センターあすなろ教室への通級に係る経費を一部助成し、安全確保と保護者負担の軽減を図ります。
教室に入りづらい児童生徒にとって、学校内の居場所の一つとなる校内教育支援センターの運営の充実を図ります。学校だけでは対応が難しい、複雑化・困難化する児童生徒を取り巻く課題に対応する経験豊富なスクールソーシャルワーカーを確保するため、処遇の改善を図ります。
通級指導教室の自校方式体制の充実を図り、インクルーシブ教育を推進します。不登校児童生徒の健康診断の受診機会を確保するため、内科検診については、学校医の医療機関でも受診できる体制を整備します。外国籍児童生徒には、教師の発話を母国語に翻訳し端末に表示するなど、授業理解を支援します。国の給食費負担軽減交付金で賄えない分は市が補填し、小学校給食費の実質無償化を継続します。物価高騰に伴う中学校給食費の増額分の支援も行い、子育て世帯の負担軽減につなげます。老朽化した調理機器などは更新し、安心・安全な学校給食を継続提供します。
3 誰もが自分らしく暮らせる地域共生社会
人権保障は政治と行政の最も重要な責務です。長年、市民の皆さまと共に「いのち輝くまち☆こが」を掲げ、部落差別をはじめあらゆる差別を許さず、誰もが生きやすい社会をめざしている古賀市として、まちづくりのあらゆる分野で人権保障を徹底する決意を新たにしましょう。
地域公民館の活動の活性化を支援するため、公民館類似施設の整備補助を拡充します。地縁組織の持続可能性を高めるため、新たな自治会支援策を検討します。外国籍市民数は今後も増加し続けるとみられるため、多文化共生社会の実現に向けた取組の充実を図ります。
社会福祉センター千鳥苑の機能移転については、利用者や地域の声をしっかりと受け止めながら、自治会や福祉会、校区コミュニティの活動を保障することを前提に、より深く検討を進めます。
ひきこもり状態にある方やその家族の実情やニーズを踏まえた相談支援体制など、切れ目のない支援の充実に取り組みます。誰もが地域で孤立することなく、必要な支援を受けながら尊厳をもって安心して暮らせるよう、権利擁護支援体制の充実に取り組みます。
認知症になっても一人ひとりが希望を持ち、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるという「新しい認知症観」について、市民の皆さまの理解を深めるとともに、認知症本人や家族が自分の思いを語り合う認知症カフェのさらなる拡大などに取り組みます。
産学官連携の古賀式私の朝プロジェクトでは、市内事業所と連携し、働く世代の健康意識の向上を図り、継続的な健康づくりに取り組めるよう支援します。
4 安全・安心な暮らしを支える基盤の強化
高校生リバースメンターから提案のあった「自転車と歩行者の衝突事故を減らし、誰もが安心して暮らせる社会」をめざす考えを取り入れ、花見佐谷線(千鳥・舞の里地区)は、令和8年度から道路改良工事に着手しており、引き続き計画的に工事を実施し、利用しやすい道路の実現を図ります。
最新の県地域防災計画や近年の災害を踏まえた本市の地域防災計画の見直しを進めます。
誰もが移動しやすい地域社会をめざし、近年、公共交通ネットワークを強化しています。デジタル技術も活かしながら様々な交通サービスについて移動需要を捉えて統合する「MaaS(Mobility as a Service)」について、鉄道やバス等をつなぎ、市内外の方の移動に活用できる「一日乗車券」などの企画乗車券導入を検討します。自動運転バス実証運行において安全性や実効性を検証するとともに、社会実装に向けた体制構築を行います。地域の皆さんとの対話を通じてその地域に適した公共交通のあり方を共に考えるとともに、乗り合いタクシー、広域運行の検討を進め、交通利便性の向上を図ります。
水道施設の耐震化を推進します。古賀市雨水管理総合計画に基づき、浸水リスクの高いエリアの状況に応じた雨水対策を講じます。道路冠水等による事故を未然に防止するため、危険箇所への安全対策を実施します。
消防団がその力を十分発揮できるよう、活動に必要な装備品の充実を図るなど、引き続き消防団への支援を強化します。
5 魅力ある都市と自然が調和した持続可能なまちづくり
まちの持続可能性を高めるため、移住・定住の促進や雇用機会の創出など、まちの魅力と活力の創出に向けた取組を引き続き進めます。
古賀駅西口では、地域にお住まいの方、古賀市商工会や西口周辺の事業者、地元活動団体等と連携しながら、引き続きエリア全体の価値向上をめざします。令和9年度は、本格的な事業着手年度と位置づけ、駅前広場等の詳細設計に着手します。古賀駅東口では、事業着手に向けて、引き続き最適な土地利用のあり方について関係地権者と協議を重ね、都市公園や用途地域等必要な都市計画の手続きを進めます。
可燃ごみの減量・資源化を促進するため、指定ごみ袋の表記を見直し、ごみの減量や資源の有効活用につながる意識啓発を図ります。
都市計画道路である北花見南花見線(旧・西鉄宮地岳線跡地)については、安全で安心な歩行空間及び車道を確保するとともに、憩いの空間としても活用できるよう、引き続き整備を進めます。
国道3号から主要地方道筑紫野古賀線を結ぶ京田馬渡線は、歩道整備や交差点改良の必要があり、令和8年度に実施した詳細設計に基づき、令和9年度から用地測量及び物件調査に着手します。青柳迎田地区の開発に伴い整備が予定されている区域内の浜大塚線と接続する新たな橋梁(青柳川に架橋予定)は、地域全体の一体的な整備を推進する観点から、詳細設計を実施します。
ピエトロ・ファクトリーパークとの連携・相乗効果を高める観点から、古賀グリーンパーク・出会いの広場へのアクセス環境等について、整備の方向性を検討します。
国が売却を予定している千鳥地区の公務員宿舎用地は、まちづくりの観点から、公的取得の必要性や活用可能性を含め、柔軟に検討します。
6 地域経済・商工業・農業の活性化と雇用・交流の創出
企業誘致の加速と居住機能の強化のため、現在進めている工業・物流団地、住宅地を形成する開発について、引き続き関係機関との協議や都市計画決定に向けた手続きなどを着実に進めます。
商工会館と憩いの広場の一体的なリニューアルを実施するとともに、リニューアル後を見据え、商工会等と連携して事業者支援強化について検討します。
農業生産性の向上と農業経営の安定をめざし、薦野清滝地区の農業基盤整備を進めます。農作業の負担軽減を図るため、水田水位センサーや営農支援アプリなどスマート農業の導入支援を継続します。また、地産地消を推進するため、学校給食向け農産物の生産・出荷等に必要な農機具等の導入を支援します。農作業での熱中症リスクの軽減を図るため、農業者向けにファン付き作業服等の購入を支援します。あわせて、農林業負担金を廃止します。
コスモス館は、公共施設としての魅力向上を図るとともに、古賀グリーンパークを含む周辺施設間との回遊性を高めるために必要な取組を具体化します。
観光振興や市の魅力向上につなげるため、市内の多様な地域資源の発掘・活用を進め、市内外への情報発信を強化します。
7 DX・共創・組織力による市民サービスの向上
令和10年4月からの予防接種事務デジタル化の本格実施に向け、令和9年度からシステム導入や医療機関への協力依頼等の準備に着手します。電子予診票の活用や接種履歴の確認により、予診票記入の負担軽減や接種スケジュールの管理、接種間違いの防止など、市民がより便利で安心して予防接種を受けられる環境を整えます。
乳幼児健診等について、スマートフォンでの問診票入力や結果の確認を可能にする健診システムを導入し、市民の利便性の向上を図ります。
市民サービスを支える職員が心身ともに健やかに働き続けられるよう、ウェルビーイングと心理的安全性の向上を重視し、職場環境の充実に取り組みます。職員が能力を発揮できる職場の実現に向け、柔軟で多様な働き方を推進します。テレワーク、時差出勤、ペーパーレス化、男性職員の育児休業取得、カスタマーハラスメント対策、子育て支援休暇などの取組を継続・発展させるとともに、国・県の機関や事業者との人事交流・派遣にも引き続き取り組みます。
民間との人材獲得競争が続く中、将来を担う多様な人材を確保するため、古賀市を選んでもらえるような職員採用試験の実施に取り組みます。
市民サービスのさらなる向上に向けて、民間のプロフェッショナル人材の活用、シェアリングエコノミー、公民連携など、地域内外の多様な人材・企業・団体の力を活用した「共創」の取組を進めます。
安全で安心な市民サービスを提供するために、公共施設の維持管理を計画的に進めます。更なる「行かない窓口」を推進するため、コンビニ交付率70%をめざし、住民票等の各種証明書が取得できるコンビニ交付サービスのキャンペーンを実施します。
介護保険制度を持続可能なものとするため、第10期介護保険事業計画・第11次高齢者保健福祉計画に基づき、介護保険料額を見直します。効率的・効果的な市民サービスの提供のために、市有財産の有効活用に努めます。
8 持続可能な行財政運営と資源の有効活用
現在、本市を取り巻く環境は大きく変化しています。原油高や資源・エネルギー価格の上昇で物価及び労務費が高騰し、市民生活と市事業の経費に影響が及んでいます。
また、令和7年度決算における経常収支比率は、前年度決算より5.4ポイント悪化し96.1%と過去最高になり、少子高齢化の進展や社会保障費の増加により年々厳しさは増しています。持続可能な行政サービスのため、限られた財源を精査し、自由度の高い一般財源を捻出することが不可欠で、事業の優先順位付けや実施時期の見直しが必要です。前例にとらわれず既存事業・制度の効果と必要性を検証し、見直し・廃止も含め柔軟に対応するとともに、人材・財産など市の資源を最大限活用して効率的な運営に努める必要があります。
財源確保では、国や県の補助金については、政策や制度改正の把握に努め的確に対応することや、市有財産の有効活用など多角的に検討する必要があります。
ふるさと応援寄附制度の取組を一層強化し、寄附金の増額を図るとともに、企業版ふるさと納税制度の活用も積極的に推進する必要があります。
こうした取組の根底にあるのは、地方自治の本旨である「住民の福祉の増進」という揺るぎない理念です。財政の健全化と市民サービスの向上は、決して相反するものではありません。健全な財政基盤があってこそ、将来にわたって安定した行政サービスを提供することができると考えています。
9 市議会、市民の皆さまからの意見を振り返る
市民の負託を受けた市議会議員の皆さまからの指摘・提案は重要です。地方自治は二元代表制であることをあらためて自覚し、これまでの本会議や委員会での議論を振り返り、有意な提案については施策に反映させることを検討していきます。
また、私は市民の皆さまとの「対話と交流」を市政運営につなげています。市長就任後、対話集会を重ね、意見募集も積極的に実施し、市民の皆さまの「声」を意思決定や政策遂行に反映させてきました。今後も組織としてこの基本を大切にしていかなければなりません。
令和8年10月2日
古賀市長 田辺一城
投稿者:【mayor2010】
2026年10月06日 17時18分
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