戦後80年の古賀市秋季戦没者追悼式を9月6日に挙行しました。
対立と分断を煽る勇ましさではなく、他者の包摂を前提とし、核兵器廃絶と世界恒久平和に向けて歩みを進める決意を新たにしたい。以下、主催者としての式辞全文です。
式辞
本日ここに、戦没者ご遺族並びにご来賓各位、市民の皆さまのご列席のもと、古賀市秋季戦没者追悼式を挙行するにあたり、市を代表し、謹んで式辞を申し上げます。
先の大戦が終わりを告げてから、本年で八十年という大きな節目を迎えました。
祖国の平和と発展を願い、愛する家族を案じながら戦地に赴き、尊い命を落とされた方々、また戦後、遠く異郷の地で亡くなられた方々の御霊を思うとき、深い悲しみとともに、その尊い犠牲の重みが胸に迫ってまいります。
私たちが今日、当たり前のように享受している平和と繁栄は、戦争で命を落とされた方々の尊い犠牲と、ご遺族の長きにわたるご労苦の上に築かれたものです。この事実を、私たちは片時も忘れてはなりません。
戦没者の皆様に謹んで哀悼の誠を捧げますとともに、ご遺族の皆様に心から敬意を表します。
戦争は、最大の人権侵害です。一人ひとりの自由を奪い、幸福の追求を阻むものです。私たちはここに、不戦を誓い、個人の尊厳が守られ、平和と安定が続く社会の実現をめざして歩みを進めていく決意を新たにしなければなりません。
私自身は祖父母やその世代の皆さんから戦争の過酷な体験を直接聞くことができました。しかし、今後は体験者の方々から直接その実相を聞き、追体験する機会は失われていきます。
だからこそ、私たちは追体験できる「最後の世代」であることを自覚する必要があります。あらゆる努力をもって、私たち自身が正しく記憶を継承し、平和とは何かを考え、自ら行動し、平和を次代に引き継ぐという、課せられた責務を今一度、深く心に刻むべき時です。
戦争の記憶を風化させてはならない。
これまでも、古賀市は非核・恒久平和都市として、平和首長会議や日本非核宣言自治体協議会に加盟し、平和行政の推進に力を尽くしてきました。
今年は特に「被爆・戦後80年」をテーマに、「戦争と平和を考える月間」として、市民の皆様が平和の尊さを共に考え、学び、語り合う機会となる各種イベントを挙行しました。
小中学校においては修学旅行で被爆地を訪れ、全ての学校で被爆クスノキ2世を育てるなど、核兵器なき世界をめざす平和教育を通じて、次代を担う子どもたちに戦争の実相と恒久平和の意味を伝える取組みを継続しています。
しかし、世界では、ロシアによるウクライナ侵略、パレスチナ問題に端を発するガザ地区の深刻な人道危機、大国の指導者による核兵器使用示唆、排外主義的風潮の拡大など、戦争の悲劇とそのリスクは過去のものではなく、今この瞬間も続いています。
古賀市はこのきわめて厳しい現実を直視し、対立と分断を煽る勇ましさではなく、他者の包摂を前提とし、市民、議会、行政が世界恒久平和の実現に向けて不断に努力し、力を合わせ、誰もが平和で安心して暮らせる世界を実現していくことを、今ここにお誓い申し上げます。
結びにあたり、戦没者の御霊の安らかならんことを心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様の今後のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、追悼の辞といたします。
令和七年九月六日
古賀市長 田辺一城
投稿者:【mayor2010】
2025年09月08日 12時00分
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