○古賀市文化芸術振興条例

平成20年12月19日

条例第30号

前文

豊かな自然と人々との交流が古賀市の歴史を刻み、文化を育んできた。

東には西山・犬鳴の山々が連なり、山塊から浸み出した水は、清流となって花鶴川に集まり、玄界灘に注ぐ。

西に広がる玄界灘は、海の十字路と言われ、太古のかなたより大陸・朝鮮半島文化が往来してきたところであり、海に向かって大きく、弧状に広がる海岸は古代から数々の文化を受け入れてきた。この海岸の白砂青松は、防風・防砂林として長い歳月をかけて守り続けられ、河川の両翼に広がる沃野は、古代から今日に至るまで、生活居住地や生産活動の場となっている。

遥か都へ通ずる太宰官道から近世の唐津街道にいたる路は、連綿として文化を運び続け、今日その役割は、国道3号・九州自動車道・鹿児島本線の交通の動脈となって生き続けている。

文化は、人々の生活の向上と共に発展・進化し形成されてきたものであり、そこから生きていく喜びや感性が磨かれ、伝統芸能をはじめ、美術や音楽、文字による表現など多種多様な芸術が生まれた。

うるわしき古賀の風土と歴史に培われ、育まれてきた文化芸術の有形無形の資産は、脈々と私たちの中に流れ続け、蓄積し続けている。こうして受け継がれてきた古賀市民の文化的感性を一層高め、希望に満ちた古賀市の未来を創るため、すべての市民が文化芸術活動に参加し、その恩恵を享受することを願い、この条例を制定するものである。

(目的)

第1条 この条例は、文化芸術の振興について基本理念を定め、並びに市、市民及び民間団体等が果たすべき役割を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する基本となる事項を定めることにより、本市における文化芸術の振興を図る施策を総合的に推進し、もって心豊かな市民生活の実現及び活力ある地域社会の形成に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 文化芸術 美術、音楽、演劇、伝統芸能その他の芸術並びに地域の伝統及び生活に根ざした文化をいう。

(2) 市民 市内に居住、通勤及び通学する者並びに市内を活動の場とする個人をいう。

(3) 民間団体等 市内の企業、学校、民間非営利団体及び地域団体等をいう。

(基本理念)

第3条 文化芸術の振興に当たっては、市民一人ひとりがその担い手であるということを踏まえ、市民及び民間団体等の主体性及び創造性が十分に尊重されなければならない。

2 文化芸術の振興に当たっては、すべての人々が多様な文化芸術を創造し、享受する権利を有していることにかんがみ、市民が文化芸術を鑑賞し、これに参加し、又はこれを創造することができる環境の整備が図られなければならない。

3 文化芸術の振興に当たっては、将来にわたる文化芸術の持続的な発展のため、文化芸術活動への高い関心及び豊かな創造性を持つ人材の育成を図るよう努めなければならない。

4 文化芸術の振興に当たっては、市民が地域への誇りと愛着を深められるよう、市内の各地域で培われてきた伝統、歴史、風土等に十分配慮し、その保存及び継承を図るとともに、新たな文化芸術の創造が促進されなければならない。

(市の役割)

第4条 市は、前条の基本理念に基づき、文化芸術の振興を図るための施策を総合的かつ計画的に実施するよう努めるものとする。

2 市は、文化芸術の振興を図るための施策の実施に当たっては、市民及び民間団体等が自主的かつ創造的に活動できるよう、市民及び民間団体等との連携に努めるものとする。

3 市は、実施する各種の施策において、文化芸術の振興を図る視点を取り入れるよう配慮に努めるものとする。

4 前3項に定めるもののほか、市は、文化芸術の振興を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(市民の役割)

第5条 市民は、自らが文化芸術の担い手であることを自覚し、自主的かつ創造的な文化芸術活動を行うとともに、広く文化芸術に対する理解を深め、市民相互で連携及び協調して文化芸術の振興を図るよう努めるものとする。

(民間団体等の役割)

第6条 民間団体等は、地域社会の一員であるとの認識の下、自主的に文化芸術活動を行うとともに、市民の文化芸術活動の支援に努めるものとする。

(施策の立案及び実施に係る基本方針)

第7条 市は、文化芸術の振興を図る施策の立案及び実施に当たっては、第3条及び次に掲げる事項を基本とし、各施策の計画的な推進を図るものとする。

(1) 地域の文化芸術に係る資源及び人材を活用し、個性と魅力に富んだ特色ある文化芸術活動を促進するとともに、国内外との文化芸術に係る交流を図ること。

(2) 優れた文化芸術に触れる機会の提供その他青少年が自主的に文化芸術活動を行うことができる環境の整備を図り、幅広い文化芸術の担い手を育成すること。

(3) 文化財並びに地域固有の文化芸術を将来にわたって保存し、及び次世代に継承すること。

(審議会の設置)

第8条 市における文化芸術の振興を推進するため、古賀市文化芸術審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、文化芸術の振興に関する事項について、市長の諮問に応じて調査及び審議し、答申する。

3 審議会は、文化芸術の振興に関する事項について、市長に意見を述べることができる。

4 審議会は、委員10人以内をもって組織する。

5 委員は、文化芸術に関し識見を有する者、市民及び民間団体等を代表する者のうちから、市長が委嘱する。

6 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 委員は、再任されることができる。

(委任)

第9条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成21年4月1日から施行する。

(古賀市特別職の職員及び教育長の給与等に関する条例の一部改正)

2 古賀市特別職の職員及び教育長の給与等に関する条例(昭和37年条例第4号)の一部を次のように改正する。

〔省略〕

古賀市文化芸術振興条例

平成20年12月19日 条例第30号

(平成21年4月1日施行)